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山口県の徳山から大分県の国東半島へフェリーで渡り、本日先ず1軒目のM.Eさんのお宅に訪問です。
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徳山港 |
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竹田津港 |
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Eさんは今回の出張クリニックの予定には当初入っていなかったのですが、出発直前に電源タップ「ナイアガラSt.」のご注文を頂いたのをきっかけに突発的に決まったのです。
幸いにも、お一方は時間の都合のつく方でしたので、一日2件の訪問予定から3件になっても何とかうまく時間調整が出来ました。
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「ナイアガラSt.」の発売と同時に行った、カイザーサウンドの25周年記念イベントの一つで「試聴体験レポートコンテスト」にご応募頂き、その時の好印象をそそのまま購入に結び付けて下さったのです。大分市郊外の高台にある新興住宅団地に8年ほど前に建てられた素敵な洋風のお家です。玄関入ると否が応でも目に入って来たのがショーケースに入った数多くのプラモデルです。また半端ではない本数の釣竿にもこれまたビックリ!、Eさんの多趣味ぶりが伺えます。
オーディオルームの部屋の広さは12畳、フローリングは体育館の床に使われる強くて丈夫な無垢木を採用。一般に使われているタイプのフローリング材とは音の深みが違います。決定的なのは音の速さが正直にレスポンスしますので、良いも悪いもそのまま出てしまう点です。これは私達のように技術のある者にとっては大変好都合です。
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「カイザーゲージ」を上手に使いこなしている |
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さすがに「カイザーゲージ」を使って何度も試行錯誤をしながら今の位置を見つけたというだけの事はあって、スピーカーは大変良好なポジションに置かれております。最近こういうパターンのお客さんに出くわす事が多いのです。「カイザーゲージ」を使って頂くとほとんどの方達が理想に近いポジションを見つけ出す事に成功しているのです。これには提唱者の私も大変嬉しい思いがします。
そのスピーカーはB&W801マトリックスVとディナのコンター1.1です。ご本人仰るには『1.1はまずまずだけれど、801がもっと良い音で鳴って欲しい』。元々801は粘質系のウーハーですから、伸びやかで重たい低音を特徴としております。その傾向通りの音ですから私は別に変にも思いませんでした。
見たところアンカーベースという純正のスピーカースタンドのスパイクの受けには真鍮製と見られるインシュレーターが使われております。「これは見た事がありませんけど、どちらのメーカーの物なんですか?」とお尋ねしますと。
自分の勤めている会社で作ってもらったそうですが、それにしては良く出来ています。でもインシュレーターは簡単に作れる代わりにその分だけ数え切れないほどの音が存在しますので、何が良くて何が悪いのか全く分からなくなってくるのです。そうです、実は簡単に出来る物ほど難しいんですね。
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スパイク受けインシュレーターが効きました |
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そんな説明を交えながら実際にクリニックを施していくのですが、スパイクをエコブラス製の物に変えるか、スパイク受けをJR(H)タイプにする事が一番効果が大きいとセッティング担当の息子は言います。スパイクに関しては残念にも合うサイズの物が用意出来ていなかったものですから、JR(H)を聴いて貰う事から始めました。さすがにこの効果は大きく、先ず音数が桁違いに増えました。今まで聞こえていなかった音がこんなにもあったのか?とある種の驚きを感じるほどです。
入れて直ぐには元の音の癖もまだ残っていますので、立ち上がりの軽やかな音になる為に必要なレスポンス面のタイミングに関しては数分待ってやる必要があります。それと同時進行で今回お買い上げ頂いた「ナイアガラSt.」の電源タップの結線に入ります。先ずはタップだけの音の違いを確認するのですが、思ったほどの変化は未だ確認出来ません。少し計算違いでした。次の事をするには少し早過ぎました。
徐々にタイミングが取れ始めた頃を見計らって、次には壁コンセントからタップまでのACケーブルをAC-1S(8NLimired)1.8kaiserに交換してみました。これは凄かったですね。一気に低中高のタイミングが揃いウーハーが軽やかに速く反応するようになりました。正直言ってこれだけ軽やかにレスポンス良く動く801マトリックスは初めてです。「カイザーウェーブ」恐るべしです。
次に手を付けた所はCDプレーヤーの振動対策です。ソニーのプレーヤーの下には御影石のボードを敷いてあります。これが極端に前後に長く、とにかく寸法比が良くありません。また、CDプレーヤーの下に石を敷きますと、硬いが為にプレーヤーと石との間に淀んだり濁ったりの振動のループが発生し、それが肝心な音楽のエネルギーを打ち消して生気のない無感動の音に変えてしまうのです。
特にこのプレーヤーはターンテーブル用のスピンドル軸が動きながらピックアップも動く独自のメカニズム方式です。従いまして軸を動かしてタイミングを取るわけですから、なおの事性能の良いインシュレーターを必要とするのです。ですから、インシュレーターの性能の良し悪しを見るにはこれほど打ってつけの物はありません。
御影石ボードを外し、歯と歯茎構造のインシュレーター(PB-DADDY
JAZZ)を入れてやると、目を見張るような効果となって音に現れたのでした。サックスの音が伸びやかに部屋中に浪々と響き渡ります。特に声量のある歌い手さんの声などは訴え力がまるで別物に変身したようです。何をどうしても左右チャンネルの音が揃わないと言っておられたのが、気にならなくなったどころか、生々しく変貌を遂げたその音には感動させられっぱなしです。一度には買えないにしても、進むべき道筋がしっかり見えたと仰るEさんの顔は晴れやかです。
今日の所はスピーカーのスパイク受けを導入したいとの事ですから、更に一皮向けた音がするJR(H)Uの新品に入れ替えました。
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